2024年04月20日

板金曲げの図面の重要性は?依頼前のチェックポイントについて解説!

板金曲げの図面を作るとき、正しい注意点がわからず悩んでいませんか。適切な図面があれば、打ち合わせを円滑に進められます。また製品の図面の情報は複雑になりやすいので、依頼者本人がわかりやすく仕上げてください。明快かつローコストの設計で、納得のいく発注品を完成させられるでしょう。今回は板金曲げの図面作成者のため、作成時の心がまえを解説します。

1. 板金曲げには図面が欠かせない

板金曲げの依頼では、図面が重要です。加工者は依頼品の加工時、図面のチェックが欠かせません。図面の情報から適切な加工方法を考えたり、完成時の寸法精度を想定したりするからです。また図面からの情報把握が難しいときは、依頼者と適宜打ち合わせします。製品を仕上げるには、正確な寸法やテクニックが求められるため、図面なしで依頼するケースはほとんどないでしょう。 板金曲げの図面は、依頼者と加工者の共通認識です。加工者が作業を遂行できるように、依頼者が適切な図面を仕上げなければなりません。

2. 板金曲げ依頼での図面の扱い方

板金曲げの依頼前は、構想や設計で図面を作成します。打ち合わせでも図面が頻繁に用いられるので、依頼者は要望を反映させつつも、過不足なく情報を記載しなければなりません。図面を扱う場面について、以下の2つを紹介します。

2-1. 構想や設計で作成する

板金曲げの依頼が決まったら、構想や設計段階で図面を作成します。構想では必要機能の実現のために、理想の形状をイメージしてください。ここでは手書きのラフ図を作り、関係者にイメージを伝えます。板金加工ではカバーやフレーム、空気の通り道などさまざまなパーツが求められます。ラフ図の段階で必要機能を想定しつつ、大まかなイメージを仕上げてください。 ラフ図でイメージが整ったら、CADによるモデル作成へ移ります。ここで材質や板厚、板金曲げの位置や角度などを決めてください。3Dモデルでの設計が終われば、CAD機能で図面を仕上げましょう。

2-2. 図面を参考に打ち合わせする

製品の加工に向けて、図面をもとにした打ち合わせをします。依頼者と加工者で図面を共有し、とくに問題がなければ作業へ移る流れです。しかし話し合いや経過によっては、途中で公差や形状変更を要するかもしれません。またコストや納期の調整も想定されます。計画の修正の可能性も考えると、図面による情報共有は欠かせません。

3. 板金曲げの依頼用図面作成の注意点4つ

板金曲げの依頼用図面の作成時には、さまざまな注意点があります。作成時はJISのルールに従い、無駄なコストの削減やわかりやすさなどにこだわりましょう。4つの注意点を以下で解説します。

3-1. JISのルールに従う

JISは日本産業規格とも呼ばれ、国内の産業製品の規格や測定法などを決めています。製品ごとにサイズや特定部分の長さなどが定められており、これに違反した製品は販売できないことがあります。依頼者はJISの規則に従いながら、製品の図面を作らなければいけません。規則違反の図面だと加工者の同意を得られないので、作成時は注意しましょう。

3-2. 無駄なコストがかからないようにする

板金曲げの図面作成では、依頼時に無駄なコストがかからないように注意しましょう。曲げ方や注文内容によって、作業が複雑になり、コストが高くなるかもしれません。たとえばR指示の場合は、特段の理由がなければ内側を優先しましょう。内側のR指示なら、上型の金型を替えるだけで作業できます。一方外R指定があると、専用の金型を作らなければいけないので、コストがかかりやすいでしょう。予算オーバーにならないように、図面は慎重に仕上げてください。

3-3. 基本寸法の記載を統一する

図面作成時は、基本寸法の記載を統一してください。外外と内内が混じっていると、加工者が混乱するからです。確認作業も多くなり、コストアップや作業ミスが起きやすくなります。寸法精度へのこだわりがとくになければ、外外での記載に統一してください。記載統一により加工者の情報把握だけでなく、寸法検査もスムーズに進みます。加工者が作業しやすいように、基本寸法の記載は全体でまとめましょう。

3-4. 加工者が仕上げやすいように無理のない設計図を作る

加工者が製品を仕上げやすいように、設計図は無理なくまとめましょう。たとえば複雑な形状でも、寸法基準の指示はひととおり済ませてください。また加工者が見やすいように、正面図に寸法を集約します。製品を仕上げられるように、公差設定は加工可能な範囲にとどめましょう。またプレスブレーキを使えるように、曲げを低くしすぎない点も大切です。以上を参考にしながら、加工者にやさしい図面づくりを心がけてください。

4. まとめ

板金曲げの図面では、依頼者と加工者が情報共有しやすいように仕上げてください。わかりやすい図面なら、加工者も理解しやすく、作業をスムーズに進められるからです。要望どおりに製品を仕上げるには、明快な図面が欠かせません。 「株式会社レイズアップ」では板金加工の依頼を受付中です。板金曲げに関しても、図面による情報共有をもとに、最適な提案をいたします。弾性変形や塑性変形など、さまざまな板金曲げへの対応が可能です。自動車産業や飲食業、家電メーカーなど多くの業界からご依頼を受けた実績があるので、興味のある方は当社公式サイトでお問い合わせください。